本文へ進む

ツールを併用するときのコスト|重複した機能に二重で払わない棚卸しの手順

予約システム、メール配信、顧客管理、LINE公式アカウントのオプション。カードの明細には毎月の引き落としが並びますが、合計がいくらかはすぐに言えません。どれも業務のどこかで使っているので、解約して困るのが怖くて手が止まります。

重複を見つけるには、ツールを製品名ではなく「配信・受信・顧客情報」の3つの層に並べ直します。同じ層に2つ以上ある行だけを検討します。機能が重なっていても、配信と受信のように役割が違えば無駄ではありません。重なった機能はどちらで使うかを先に決め、1か月その形で動かして困らなければ解約します。

RenRakuを提供する株式会社TechSyncが編集しています。仕様・出典確認日:2026年10月18日

ツールは製品名でなく「配信・受信・顧客情報」の3層で並べる

重複が見えないのは、製品名で比べているからです。「予約システムとチャットツールのどちらが要るか」には答えが出ません。先に役割の層を決め、各ツールがどの層で働いているかを書き込みます。

3つの層と、課金のされ方
層すること課金の単位主なツールの例
配信こちらから多数へ同じ内容を送る(メールマガジン、休業のお知らせ)登録アドレス数や配信通数メール配信サービス、LINE公式アカウント
受信届いた1件に順番に返す(問い合わせ、見積依頼、予約の変更)多くは使う人数(シート数)メール共有ツール、チャット接客ツール、RenRaku
顧客情報相手が誰で、これまで何をしてきたかを持つ人数やデータの量CRM、kintoneのような業務用データベース

3つのうち、ほかと重なりやすいのは顧客情報の層です。配信の宛先も受信の相手も、元をたどれば同じ顧客だからです。

この3層とは別に、次の2つは独立した行として書きます。どちらも、受信のツールに置き換わるものではありません。

  • メールの土台:独自ドメインのメールアドレスや保存容量です。Google Workspaceなどが担います。受信のツールは届いたメールを扱う道具で、アドレスそのものは用意しません。
  • 予約の枠:空き枠の表示と自動受付です。予約システムが担います。予約の前後に届く質問への返信は、受信の層に入れます。

重なりやすいのは3か所。配信と受信は重なって見えるだけ

層を書き込むと、重なりはたいてい次の3か所に出ます。どれも、便利だから使っているうちに2本立てになった箇所です。

  1. 連絡先リストが、配信ツールとCRMの両方にある。2つのリストは別々に育ちます。片方で直した住所や担当者名は、もう片方に反映されません。重なっているのは機能ではなくデータなので、費用より先に「どちらを正しい台帳にするか」を決めます。
  2. LINEとメールで、問い合わせを見る画面が分かれている。LINEはLINE公式アカウントの管理画面、メールはメール共有ツールで見る状態です。どちらも受信の層です。有料のプランやオプションを使っていれば、受信に2本払っていることになります。選び方は受信の層に2つ払っているときの3つの選び方で扱います。
  3. 顧客カードが、受信ツールとCRMの両方にある。受信ツールの顧客カードは「いま誰と何を話しているか」を追う場所です。CRMは「どんな取引をしてきた誰か」を管理する場所です。似ていても同じではないため、確かめずに片方を止めると後で戻すことになります。

反対に、重なって見えても重なっていないのが配信と受信です。課金の単位も、使う場面も違います。配信ツールを入れても返信の手間は減らず、受信のツールを入れても配信の通数は減りません。

棚卸しは5つの手順で進める

進め方は次の5段階です。判断が要るのは、手順3で残った行だけです。手順4で「どちらで使うか」を1文で書ければ、解約するかどうかはほぼ決まります。

  1. 3か月分の明細を1枚に書き出す。カードと口座の明細から、毎月の引き落としをすべて拾います。3か月分を見るのは、使った月だけ増える従量課金を拾うためです。年払いの製品は3か月の明細に出ないことが多いので、過去12か月の明細か請求メールで拾います。
  2. 1行ごとに層を書く。配信・受信・顧客情報・メールの土台・予約のどれかを書きます。LINE公式アカウントのように配信と受信の両方で使う製品は、両方を書きます。
  3. 同じ層が2つ以上ある行だけを残す。1つだけで層を担っている行は、今回は触りません。残った行が、判断の要る箇所のすべてです。
  4. 重なった機能を「どちらで使うか」決める。「連絡先の台帳はCRM、会話の経緯は受信ツール」のように、1文で書けるまで具体にします。決めないまま解約すると、残した側で同じ作業が増えます。
  5. 1か月その形で動かしてから解約する。困らなかったことを確かめてから止めます。解約の前に、データを書き出せるか、いつまで残るかを確認してください。

手順1〜4は、次の列を持つ表にまとめると迷いません。1ツール1行で書きます。

【列】ツール名/月額(税抜・税込の別)/支払い方(月払い・年払い・従量)/層(配信・受信・顧客情報・メールの土台・予約)/使っている人と場面/重なり(あり・なし)/どちらで使うか(1文)
【記入例(説明用)】LINE公式アカウント(ライトプラン)/月5,000円(税別)/月払い/配信・受信/店長がお知らせを配信、スタッフ2名が問い合わせに返信/あり(受信がメール共有ツールと重なる)/配信はLINE公式アカウントに残す。受信はメールと1つにまとめるかを比べる

関連する運用の全体像は、問い合わせ管理 ツールの乗り換え手順 履歴・権限・窓口を移行前に確認で紹介しています。

浮いた額で新しいツールを検討するなら、問い合わせ管理ツールの予算の決め方で上限を出してから比べてください。

料金は税・最低人数・初期費用をそろえて並べる

層を書いたら、いま払っている額と候補の公開料金を同じ表に置きます。税の表記と最低契約人数をそろえないと、判断がずれます。次の表は、2026年9月27日に各社の公式ページで確認した内容です。

主なツールの公開料金(2026年10月18日確認)
製品・プラン層公開されている料金見落としやすい条件
LINE公式アカウント コミュニケーション配信・受信月額固定費0円(無料メッセージ200通)追加メッセージは送れない
LINE公式アカウント ライト配信・受信月額固定費5,000円・税別(無料メッセージ5,000通)追加メッセージは送れない
LINE公式アカウント スタンダード配信・受信月額固定費15,000円・税別(無料メッセージ30,000通)追加メッセージは〜3円/通・税別(配信数で変わる)
チャットProオプション受信月3,000円・税別LINE公式アカウントに付ける有料オプション
メールワイズ スタンダードコース受信1ユーザー月600円・税抜5ユーザーから。3人でも月3,000円
Re:lation受信有料プランの金額は公式ページに記載なし人数と容量で変わる。見積もりで確認
RenRaku ライト/スタンダード/プレミアム受信・顧客情報月1,480円/2,980円/4,980円・税抜1名/3名込み/10名込み。ライトは人数を足せない
kintone ライト/スタンダード顧客情報1ユーザー月1,000円/1,800円・税抜どちらも10ユーザーから
ブラストメール Light配信月4,000円・税抜初期費用10,000円(1年契約で半額)
RESERVA ブルー予約月払い5,500円、年払いは月あたり3,850円・税込ほかと違い税込で表示

金額が載っていない製品は、二次情報の数字を写さず「要見積もり」と空けておきます。Re:lationの料金ページは、月額が人数や容量で変わると注記しています。

月額の表と請求額がずれる6つの要因

月額だけを並べた表は、実際の請求額と一致しません。ずれる要因は次の6つです。金額そのものより、この6つのほうが判断を左右します。

請求額がずれる6つの要因(例は公式ページで確認)
要因例起きること
最低契約人数メールワイズは5ユーザー、kintoneは10ユーザーから2〜3名の会社でも最低人数分がかかる
初期費用ブラストメールLightは10,000円(1年契約で半額)初月だけ請求が跳ねる
従量・追加購入LINE公式アカウント スタンダードの追加メッセージは送った分。RenRakuのAI回数の追加は、買い足した口数分(300回ごと月500円・税抜)送った分や買い足した分だけ、その月の請求が増える
年額と月額kintoneは月額と年額を選べる。RESERVAは年払いで月あたりが下がる比べる単位がそろわない
税の表記RESERVAは税込。LINE公式アカウント・メールワイズ・kintone・RenRakuは税抜(税別)そのまま足すと10%ずれる
支払いの時期LINE公式アカウントは月額固定費が月初の前払い、追加メッセージ料金は月末締め・翌月10日ごろの後払い1か月分の費用が、2つの月の明細に分かれて出る

1ユーザー単価は総額ではありません。最低契約人数と追加料金を掛けて、はじめて請求額になります。読み方は見積書のユーザー単価の見方で詳しく扱っています。

年払いで月あたりが下がる製品もありますが、途中で人数が減ったときの扱いは製品ごとに違います。判断の軸はSaaSの年間契約と月額契約の違いにまとめています。

受信の層に2つ払っているときの3つの選び方

LINEとメールで受信の支払いが2本あるなら、選び方は3つです。どれが合うかは、問い合わせがどの窓口にどれだけ届いているかで決まります。

受信の層の3つの選び方(月額は2026年9月27日に公式ページで確認)
選び方向いている会社月額の例残る課題
A. LINE側を伸ばす(チャットProオプション)問い合わせがほぼLINEだけ月3,000円・税別メールは別の画面のまま
B. メール側にメール共有ツールを足すメールが中心で、LINEは少ないメールワイズなら5ユーザー分で月3,000円・税抜からLINEはLINE公式アカウントの画面で見続ける
C. LINEとメールを1つの受信箱にまとめる同じ相手がLINEとメールの両方で連絡してくるRenRakuなら月1,480円(1名)、2,980円(3名込み)・税抜から配信の費用は残る

A. LINEの上限で困っているならチャットPro

チャットProオプションは、LINE公式アカウントに付ける月3,000円(税別)のオプションです。チャット履歴の保存期間が6か月から5年に延び、作れるタグが5個から300個に増えます。

困りごとが「履歴が消える」「タグが足りない」だけなら、これがいちばん短い道です。詳しくはLINEチャットProとRenRaku比較で扱っています。

B. メール共有ツールを足すと、LINEの画面は残る

メール共有ツールを足すと、メールは複数人で分担できます。ただしLINEの問い合わせは、LINE公式アカウントの画面で見続けます。受信の層に2本を並べる構成は変わりません。メールワイズの料金と最低人数は、前の節の表のとおりです。なお、Re:lationのように、上位のプランでメール以外の窓口も扱える製品もあります。

C. まとめると、同じ相手の履歴が1か所に集まる

RenRakuは、LINE公式アカウントとメールの問い合わせを1つの受信箱で受ける道具です。月間のメッセージ数と顧客カードの数は、全プランで無制限です。

月額を決めるのは、人数と窓口の数です。スタンダードは3名込み、プレミアムは10名込みです。込みの人数を超えた分は1名ごとに月500円(税抜)で足せますが、1名専用のライトは足せません。つなげる窓口は、ライトとスタンダードがメール1つ・LINE1つ、プレミアムがメール5つ・LINE3つです。

  • まとめて得られること:LINEで相談していた相手が、後日メールで発注してくることがあります。管理者が同じ顧客として結んでおけば、両方のやり取りを1本の時系列で読めます。メールアドレス同士、LINE同士は自動で束ねますが、メールとLINEを同じ人として結ぶのは手作業です。
  • 残る費用:LINE公式アカウントのプラン料金は、これまでどおりLINE側でかかります。お知らせ配信に使う通数も同じです。
  • 返信も通数に入る:RenRakuから送ったLINE返信は、LINE公式アカウントの月間メッセージ通数に数えられます。無料の通数を超えると、LINE側のスタンダードプランでは追加料金がかかり、コミュニケーションプランとライトプランではそれ以上送れません。当月の残りは、RenRakuの画面で確認できます。

どれを選んでも、LINE公式アカウントの契約そのものは残ります。LINEの窓口はLINE公式アカウントで、チャットProもRenRakuもそこにつないで使うからです。判断するのは、受信の層にいくつ支払いを置くかだけです。

CRMが要るかは「集計するかどうか」で決まる

受信ツールに顧客カードがあっても、CRMが要るかどうかは会社によって違います。分かれ目は、顧客の情報を自社の項目で絞り込み、集計しているかどうかです。

kintoneのような業務用データベースは、項目を自社で作り、条件で絞り込み、集計できます。前の節の表のとおり、どちらのコースも10ユーザーからの契約です。3人で使っても、ライトで月10,000円、スタンダードで月18,000円(税抜)かかります。

RenRakuの顧客カードは、会話ごとに13の項目(名前・LINE表示名・電話番号・住所など)を持ちます。項目は固定で、名前を変えることも、自社で足すこともできません。集計・分析レポートの機能もありません。

CRMを残すか、受信ツールの顧客カードで足りるか
見ることCRMを残す受信ツールの顧客カードで足りる
管理する項目商談の段階や契約更新月など、業務固有の項目がある名前・連絡先・これまでのやり取りが分かればよい
使い方条件で抽出し、集計した数字を見て動く開くのは問い合わせが来たときだけ
見る人複数の部門が同じ顧客の記録を見る問い合わせに返す人だけが見る

「受信ツールの顧客カードで足りる」に多く当てはまるなら、顧客情報の層を別に契約する理由は薄くなります。「CRMを残す」に当てはまるなら、CRMは残します。その場合、受信ツールの顧客カードは会話の経緯を追う場所と割り切ってください。どちらかに無理にまとめると、足りない分の作業が表計算に戻ってきます。

受信のツールでは置き換わらない5つは残す

次の5つは、受信のツールを入れても置き換わりません。役割が違うからです。棚卸しの表でこの5つに当たる行は、解約の候補から外してください。

  • 一斉配信:メールマガジンや告知は配信ツールの仕事です。ブラストメールのLightプランは月4,000円(税抜)で、登録アドレス5,000件まで、配信数に制限はありません。
  • 予約の枠:空き枠の表示と自動受付は予約システムの仕事です。RESERVAには、月間予約50件・登録顧客250件までのフリープラン(0円)があります。
  • 項目の設計と集計:前の節のとおり、CRMの役割です。
  • メールの土台:独自ドメインのメールアドレスと保存容量は、受信のツールでは用意しません。
  • 0円で使っている道具:解約しても費用は減りません。LINE公式アカウントのコミュニケーションプランは月額固定費0円です。LINEチャットの送受信は、メッセージ通数に数えないと案内されています。チャネルトークにも無料プランがあります。

この5つを外せば、検討するのは受信と顧客情報の層だけになります。

AI費用は、置き換える仕事とセットで棚卸しする

AIの利用料を足すだけでは、ツールが1つ増えたように見えます。重複を見直すなら、要約・返信の下書き・分類を今どの道具と人が担っているかを先に並べます。

RenRakuを会話と顧客対応の置き場にし、Dotsに履歴確認・下書き保存・タグ整理をつなぐ構成を比較します。内蔵AIだけを使う場合と、外部AIを継続利用する場合は費用を分けます。

説明用:最初に試す3ステップ

  1. 現在のツールを「受信」「記録」「返信準備」「整理」の仕事で並べる。
  2. 同じ架空の1件をRenRakuと外部AIで試し、不要になる重複と残す機能を記録する。
  3. RenRaku、外部AI、LINE公式、メールの月額を分けて合計する。

外部AI費用はRenRakuの内蔵AI回数枠に含まれません。大人数は通常のユーザー追加だけで計算せず、エンタープライズの個別見積もりも比較します。

使う前に確認する条件

MCP接続はライトから利用できます。Dots等の対応アカウント・料金・利用枠は別途必要です。内蔵AIの回数枠とは異なります。タスク・ルーム管理・メモ投稿等は対応プランと操作権限に従います。

継続処理には定期確認、または対応環境での新着通知と対象・動作ルールの設定が必要です。送信は初期OFF。会社のAI管理と接続画面の両方で明示許可した場合だけ、保存済み下書きを送信できます。添付・CC・BCC付きは画面から送ります。

気になる疑問

機能が重なっていたら、どちらかを解約すべきですか?

役割が違えば、重なっていても無駄とは限りません。先に、その機能をどちらのツールで使うかを決めます。そのうえで、片方でしか使わない機能のために上位プランへ上げているなら、そこが見直しの対象です。決めないまま解約すると、残した側で同じ作業が増えます。

LINE公式アカウントのチャットProとRenRakuは、どちらを選べばよいですか?

問い合わせがLINEだけで完結し、困りごとが履歴の保存期間やタグの数なら、チャットProオプション(月3,000円・税別)で足ります。同じ相手からメールでも連絡が来て、窓口ごとに見る画面が分かれているなら、LINEとメールを1つの受信箱で受けるRenRakuが選択肢になります。

RenRakuを入れると、メール配信ツールは解約できますか?

配信ツールの代わりにはなりません。RenRakuに一斉配信の機能はないためです。メールマガジンや告知をまとめて送る業務は、配信ツールやLINE公式アカウントに残します。RenRakuは届いた問い合わせに返す側の道具なので、配信ツールとは役割が重なりません。

kintoneのようなCRMは要らなくなりますか?

会社によって分かれます。自社の項目で顧客を管理し、絞り込みや集計をしているならCRMは残します。RenRakuの顧客カードは項目が固定で、集計の機能もありません。知りたいのが「誰で、前回どこまで話したか」だけなら、受信ツールの顧客カードで足りることがあります。

RenRakuを解約したら、データはどうなりますか?

契約終了日の属する月の翌月末までデータが保持され、その間は再契約で元に戻せます。保持期限の14日前と3日前には予告メールが届きます。会社全体のデータは運営が書き出して渡す形で、利用者が自分で書き出せるのは顧客一覧などの一部です。

確認した公式情報

情報確認日:2026年10月18日。料金・機能・利用条件の最新情報は各公式ページでご確認ください。本文の記入例は説明用で、費用の削減を保証するものではありません。