gyoseishoshi-sanpai-shobun.md — main

収集運搬とは別物、処分業許可の位置づけ

産業廃棄物の処分を業として行うには、廃棄物処理法14条6項の許可が要ります。同条1項の収集運搬業許可とは別の許可で、片方を持っていても他方は当然にはカバーされません。受任の入口で確認したいのは「どちらの相談か」ではなく「両方要るのか」です。

処分業がやっかいなのは、業の許可だけで完結しない点です。処理施設が施行令7条に列挙された種類・規模に当たると、15条の産業廃棄物処理施設設置許可も別に要ります。根拠条文も審査項目も別建てで、スケジュールと手数料は二重に積む前提で見積を組むことになります。収集運搬側の要件整理は産業廃棄物収集運搬業許可の要件と講習修了証にまとめています。

そして、事業の範囲をどう書くかで審査の中身が変わります。ここで効いてくるのが中間処理と最終処分の区分です。

中間処理と最終処分は許可基準の条文が分かれている

施行規則10条の5は、処分業の許可基準を「処分(埋立処分及び海洋投入処分を除く)を業として行う場合」と「埋立処分又は海洋投入処分を業として行う場合」の2本に分けています。前者が中間処理、後者が最終処分です。同じ処分業でも、施設に係る基準の中身がまったく違います。

中間処理側は、扱う産業廃棄物の種類ごとに、その処分に適する施設を持っていることが求められます。汚泥なら脱水・乾燥・焼却など、廃プラスチック類なら破砕・切断・溶融・焼却など、条文が例示を置いています。逆にいえば、廃棄物の種類と処理方式の組み合わせが噛み合わない申請は、そこで止まります。

最終処分側は、産業廃棄物の種類に応じた最終処分場とブルドーザーその他の施設、海洋投入処分なら自動航行記録装置を装備した運搬船が要件です。実務で出会う件数は中間処理が圧倒的に多いものの、区分の理解がないと事業の範囲を書き誤ります。

区分根拠典型的な処理方法施設要件の考え方
中間処理規則10条の5第1号破砕・切断・焼却・脱水・乾燥・中和・油水分離・選別など産業廃棄物の種類ごとに、処分に適する処理施設を保有していること
最終処分(埋立)規則10条の5第2号埋立処分種類に応じた最終処分場とブルドーザーその他の施設
最終処分(海洋投入)規則10条の5第2号海洋投入処分自動航行記録装置を装備した運搬船

最終処分場の3類型は「何を埋めるか」で決まる

最終処分場は安定型・管理型・遮断型の3類型に分かれます。施設区分としての根拠は施行令7条14号イ・ロ・ハで、名称と構造基準は「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令」(昭和52年総理府・厚生省令1号)2条に置かれています。もっとも、どの類型になるかを決めているのは施行令6条1項3号が定める埋立処分の基準、すなわち「何を埋めるか」です。まず、安定型産業廃棄物として列挙されたもの以外は、地中にある空間を利用する処分の方法で埋め立てられません。

安定型産業廃棄物は、廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、がれき類の5区分に、環境大臣が指定するものを加えた範囲です。ただし自動車等破砕物、廃プリント配線板、廃容器包装、水銀使用製品産業廃棄物などは各号から除かれており、品目名が合うから安定型とは即断できません。

一方、有害物質を含み環境省令の基準に適合しない燃え殻・ばいじん・汚泥などは、公共の水域及び地下水と遮断されている場所で埋立処分を行うこととされています。これが遮断型で、そのどちらでもないものを受け入れるのが管理型です。構造の話に見えて実は受け入れる廃棄物の種類の話だと理解しておくと、ヒアリングが早くなります。

15条の施設設置許可は業許可と別スケジュールで動く

施行令7条は、15条許可を要する施設を1号から14号までの各号(枝番を含めて19類型)に列挙しています。汚泥の脱水施設で1日当たり10立方メートル超、廃プラスチック類の破砕施設で1日当たり5トン超(令7条7号)、木くず(建設業に係るもの等、令2条2号)又はがれき類の破砕施設で1日当たり5トン超(令7条8号の2)、といった具合に、種類と処理能力の組み合わせで線が引かれます。設備を選ぶ前に処理能力の数値を押さえる順番です。解体・建設系では木くずが対象に入る点を落としやすく、がれき類を扱う案件は解体工事業の登録と建設業許可の違いとセットで相談が来ることも多くあります。

15条許可の申請書には、原則として周辺地域の生活環境に及ぼす影響についての調査の結果を記載した書類を添付します(法15条3項)。ただし、設置の場所・施設の種類・処理する産業廃棄物の種類・処理能力・設置に関する計画・維持管理に関する計画が過去になされた許可に係る事項と同一である場合など、環境省令で定める場合は添付を要しません(同項ただし書)。加えて、施行令7条の2が指定する施設、つまり焼却施設や最終処分場などでは、申請の告示と1か月の縦覧、縦覧期間満了の日の翌日から2週間以内の利害関係者による意見書提出、関係市町村長への意見聴取という手続が乗ります。破砕施設のように令7条の2に載らない施設では、この縦覧手続は動きません。

  • 01
    使用前検査 許可に係る設置計画に適合していると認められるまで、施設を使用できません(法15条の2第5項)。
  • 02
    定期検査 令7条の2の施設は、直近の検査を受けた日から5年3月以内ごとに都道府県知事の検査を受けます(法15条の2の2、規則12条の5の3)。
  • 03
    技術管理者 産業廃棄物処理施設(政令で定める最終処分場を除く)の設置者は技術管理者を置きます。資格は規則17条に定めがあります。
  • 04
    有効期間 業許可は5年ごとの更新が要りますが、15条の設置許可には更新の規定がありません。取得後は定期検査と維持管理で担保する建て付けです。

この非対称は顧問契約の設計にも効いてきます。施設側は検査と維持管理の記録、業許可側は5年サイクルの更新と、追いかける時計が2種類あると考えると整理しやすくなります。

許可権者と費用、収集運搬と同じ感覚だとずれる

処分業の許可権者は都道府県知事ですが、施行令27条により、指定都市および中核市の区域については市長が事務を処理します。収集運搬業は、一の指定都市等の区域内のみで行う場合や積替えを行う区域に係る場合を除いて都道府県知事の扱いに整理されているため、同じ産廃でも窓口の考え方が違います。事業場の所在地から先に窓口を確定させるのが安全です。

手数料は「地方公共団体の手数料の標準に関する政令」に標準額が示されています。実際の額は各自治体の条例で定まるため自治体により異なりますが、見積の初期値としては使えます。

申請標準額
処分業 新規許可(法14条6項)100,000円
処分業 更新許可(法14条7項)94,000円
処分業 事業範囲の変更許可(法14条の2第1項)92,000円
施設設置許可(令7条の2に掲げる施設)140,000円
施設設置許可(その他の施設)120,000円
収集運搬業 新規許可(法14条1項・参考)81,000円

講習会も課程が別です。JWセンターの処理業(新規)講習会は、産業廃棄物の処分課程がオンライン形式42,900円・対面形式53,900円(いずれも税込)。オンラインの講義視聴時間は7科目で約19時間と、収集・運搬課程の約12時間より長く、日程確保の見通しを早めに共有しておくと着手のずれを防げます。

条文の外にある落とし穴

都市計画区域内では建築基準法51条が効きます。施行令7条1号から13号の2までの産業廃棄物処理施設の用途に供する建築物は、都市計画で敷地の位置が決定されているか、特定行政庁が都道府県都市計画審議会(敷地の位置を都市計画に定めるべき者が市町村で、当該市町村に市町村都市計画審議会が置かれている場合は市町村都市計画審議会)の議を経て許可した場合でなければ、新築・増築ができません。工業地域・工業専用地域内で処理能力が一定以下なら緩和がありますが、立地選定の初期段階で照会先を含めて確認しておきたい論点です。

  • 中間処理業者は、中間処理産業廃棄物について排出事業者の立場に立ちます(法12条5項)。残渣の委託には管理票(マニフェスト)の交付義務があり(法12条の3第1項)、申請時にも処分後の産業廃棄物の処理方法を記載した書類が要ります。
  • 保管する産業廃棄物の数量は、処理施設の1日当たり処理能力に相当する数量の14日分が上限です(令6条1項2号ロ)。ヤードの設計段階で効いてきます。
  • 氏名・役員・事業場の所在地・施設などの変更は、変更の日から10日以内(登記事項証明書を添付すべき場合は30日以内)に届出です(規則10条の10)。
  • 扱う廃棄物の種類や処理方式を増やす「事業の範囲の変更」は、届出ではなく変更許可です(法14条の2第1項)。
  • 無許可で処分業を行った場合の罰則は、5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはその併科です(法25条1項1号)。

経理的基礎も落としやすいところです。直前3年の決算書と法人税等の納付すべき額・納付済額を証する書類が添付書類に含まれ、債務超過や連続赤字があれば事業計画と資金計画の補強が要ります。設備投資が大きい処分業では、ここが実質的な関門になります。

5年か7年か、更新設計まで含めて受任する

処分業の許可の有効期間は5年です。ただし更新時に優良基準へ適合すると認められた事業者は7年になります(令6条の11)。基準は規則10条の4の2に置かれ、特定不利益処分を受けていないこと、申請日前6か月間インターネットで所定事項を公表し更新していること、ISO14001または一般財団法人持続性推進機構の認証を受けていること、電子マニフェストに接続していること、自己資本比率などの財務要件、法人税等・社会保険料・労働保険料を滞納していないことなどが並びます。

注目したいのは、優良認定が申請時に用意する書類ではなく日々の運用を問う設計になっている点です。情報公表は変更の都度、受入量や処分量は年1回以上の更新が求められます。更新の半年前に慌てて整えるものではなく、許可取得の時点から運用に組み込む前提で説明できると、単発の申請代行から継続的な関与へ移りやすくなります。

5年サイクルの業許可、施設側の定期検査、優良認定の情報公表。追う対象が増えるほど、記憶と表計算では取りこぼしが出ます。期限管理そのものの型は許認可更新案件のリマインド運用も参考にしてください。

Q. 産業廃棄物収集運搬業の許可があれば、処分もできますか。

A. できません。収集運搬は廃棄物処理法14条1項、処分は同条6項で、それぞれ別の許可です。収集運搬から処分まで一貫して行うなら両方の許可が必要で、講習会も収集・運搬課程と処分課程で別に受講することになります。

Q. 破砕機を置くだけなら、15条の施設設置許可は不要ですか。

A. 処理能力次第です。施行令7条は、廃プラスチック類の破砕施設(令7条7号)、および木くず(建設業に係るもの等、令2条2号)又はがれき類の破砕施設(令7条8号の2)について、1日当たり5トン超を15条許可の対象としています。能力がこれを超えれば、14条6項の業許可に加えて15条の施設設置許可が要ります。解体・建設系では木くずが対象に入る点も含め、まず設備の処理能力の数値を確認してください。

Q. 15条の施設設置許可にも5年ごとの更新はありますか。

A. 廃棄物処理法15条に更新の規定はないため、設置許可自体の更新手続はありません。ただし施行令7条の2に掲げる施設は、直近の検査を受けた日から5年3月以内ごとに都道府県知事の定期検査を受ける必要があり、維持管理基準の遵守や技術管理者の設置も続きます。

Q. 中間処理後に出た残渣は、誰が排出事業者になりますか。

A. 中間処理業者です。廃棄物処理法12条5項は、中間処理した後の産業廃棄物(中間処理産業廃棄物)について中間処理業者を「事業者」に含めています。したがって他人へ委託する際は、委託先を許可業者に限る規制(同項)に加え、法12条の3第1項により産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付義務が生じます。許可申請の段階でも、処分後の産業廃棄物の処理方法を記載した書類の添付が求められます。

Q. 優良認定を受けると何が変わりますか。

A. 更新期間が5年から7年になります(施行令6条の11)。基準は施行規則10条の4の2に定められ、特定不利益処分を受けていないこと、所定事項のインターネット公表、ISO14001または一般財団法人持続性推進機構の認証、電子マニフェストへの接続、財務に関する要件、税・社会保険料等を滞納していないことなどが求められます。

業許可と施設許可、二本のスケジュールを同じ場所で追う

処分業の案件は、14条の業許可と15条の施設設置許可が別のスケジュールで動き、審査の期間も長くなりがちです。関係する担当者が事業者側にも複数いるため、連絡先が増えるほど「どの話が今どこまで進んだか」が分かりにくくなります。RenRakuは履歴の名寄せで同じ相手からの連絡を1本のタイムラインにまとめ、カラータグで案件の種類を色分けできます。スタンダードプラン以上ならルーム振り分けで担当を分けたうえ、引き継ぎメモを残して不在時も同じ状況を見られます。

二本の案件を、別々の部屋で回す

RenRakuのルーム振り分けと引き継ぎメモはスタンダード(3名まで月額2,980円・税抜)から使えます。14日間の無料トライアルはカード登録不要です。

> RenRaku を見る

システム開発・Web制作のご相談は TechSyncへ

※ 本記事は2026年8月時点の法令および公表情報に基づく一般的な解説です。手数料の額や申請の運用、必要書類は自治体により異なります。個別の案件については、許可権者の窓口および各自治体が公表する最新の手引き等をご確認ください。

UTF-8MarkdownLF0 charsLn 1, Col 1