案件台帳は埋まっているのに、次の対応が分からない

案件の一覧はExcelにある。でも、依頼者から何を受け取り、どこまで説明したかは、メールとLINEを開かないと分からない。案件管理システムを選ぶときは、この二つを分けて考えると整理できます。手続きの進行を記録する台帳と、依頼者との連絡を進める場所は、得意な道具が違います。

項目や工程を自分たちに合わせたいならkintoneなどの業務データベース。手順書も一緒にまとめたいならNotion。メール・LINEの履歴確認、返信準備、対応状況の整理を減らしたいならRenRakuが候補です。すべてを入れ替える前に、いま時間を取られている仕事を一つ決めましょう。

まず「案件の正本」と「会話の履歴」を分ける

たとえば依頼者から「不足資料を送りました」と連絡が来た場面。会話には送付の申告が残りますが、それだけで正式な資料確認や提出準備が完了したとは限りません。案件台帳には、職員が確認した事実を記録します。

同じ案件でも、記録する役割は異なる
持つ情報記録の例決めておくこと
案件台帳案件番号、手続き区分、正式な期限、工程、提出結果誰が確認し、どの記録を正本にするか
原本・資料保管受領資料、申請書の確定版、提出控え閲覧権限、版の管理、保存先
顧客との会話依頼内容、質問への回答、送付の約束、返信履歴返信担当と次の連絡内容
作業リスト資料照合、確認の電話、所内レビュー担当、確認日、完了の条件

会話の要約をAIに任せれば、職員は最初から全履歴を読み直す負担を減らせます。そのうえで資料の現物や行政機関の案内を確認し、正式な工程を更新する。この順番なら、連絡の効率化と専門家の判断を両立できます。

4サービスは「何を管理したいか」で比較する

以下は製品の優劣ランキングではなく、仕事に合わせた選び方です。いずれも、導入しただけで事務所固有の手続きが完成するわけではありません。

案件管理の候補と、試用時に確かめたい仕事
候補向く使い方試すポイント別に設計すること
kintone独自項目を持つ案件台帳・業務アプリ分野ごとの項目、検索、職員が更新する流れアプリ設計、権限、必要な連携・拡張費用
Notion案件データベースと手順書・所内ナレッジの整理案件ページから手順を参照し、日常的に更新できるか公開リンクの範囲、データベース権限、正式記録の扱い
Airtable表形式を軸に、顧客と案件の情報を組み立てる入力項目、表示方法、共同作業の権限課金対象者、レコード上限、外部共有と連携
RenRakuメール・LINEの顧客対応、AIによる履歴確認と返信準備直近の約束を把握し、次の返信案まで作れるか正式な工程台帳・原本保管との役割分担

「依頼者の返事を探す時間」が問題なのに、項目数の多い台帳だけを導入すると、転記が増えることもあります。逆に、複数の手続きを条件分岐で管理したいなら、連絡ツールだけに工程管理を背負わせない方が運用を組みやすくなります。

3名・10名で使う場合の料金条件をそろえる

2026年10月18日に確認した通常料金による比較です。利用者全員が共同編集・対応する前提で、無料枠や閲覧専用ユーザーとは分けています。機能が同じセットになるという意味ではありません。

基本ライセンスの月額・月額換算(追加構築・外部サービス等を除く)
プラン・支払条件3名10名比較時の条件
kintone ライト/月払い10,000円10,000円1名1,000円・最小10名、税別
kintone スタンダード/月払い18,000円18,000円1名1,800円・最小10名、税別。外部連携・拡張を使う場合の候補
Notion プラス/年払いの月額換算4,950円16,500円1名1,650円。日本の消費税は該当時別途。月払いは1名2,000円
Airtable Team/年払いの月額換算US$60US$2001課金対象者US$20。月払いはUS$24、税・決済時の為替等は別途確認
RenRaku/月払い2,980円(スタンダード)4,980円(プレミアム)税別。外部AIの契約・料金は別

年払いの月額換算は、その金額を毎月払えるという意味ではありません。たとえばNotionプラス3名は年59,400円、Airtable Team3名は年US$720が基本額です。Airtable Teamはコメント権限の共同作業者も課金対象なので、「編集しないから無料」と人数から除外しないようにします。

RenRakuはライト1名月1,480円から。スタンダード・プレミアムは通常1名追加につき月500円(税別)です。大人数は通常加算より安く導入できるエンタープライズの個別見積もりも比較します。メール・LINEの接続数、保存容量、外部AI費用まで含めた必要額は、現行プラン表で確認できます。

分野別の台帳は、共通項目に必要な列だけ足す

最初から全分野の項目を並べると、入力する側が迷います。共通項目は「案件番号・依頼者・担当・手続き区分・工程・確認済み期限・次の作業・資料保存先」から始め、必要な列だけ追加します。以下は管理設計の例であり、必要書類や法定期限の網羅表ではありません。

業務ごとに追加する管理項目の例
分野追加項目の例会話と分けて確認すること
建設業・各種許認可許可番号、許可区分、有効期間、変更・更新の対象現行要件、申請先、通知・控えに基づく期限
在留手続き対象者、申請区分、在留期限、申請状況旅券・在留カード等の原本情報、現在の手続き要領
相続関係関係者、確認資料、照会事項、作成書類の版受領資料との一致、対応範囲、他の専門家へつなぐ事項
継続顧問契約範囲、連絡窓口、次回確認、受任中の案件番号今回の依頼が契約範囲内か、追加見積もりが必要か

導入前に、終わった案件を一件だけ再現する

試すのは大量データの移行より、完了した一案件です。個人情報を置き換えたサンプルで、「初回相談→資料受領→追加確認→提出→完了」の記録を作り、所長以外が次の作業を説明できるか確かめます。

  1. 一つの事実を二重入力しない。正式な期限や確定版は持ち場所を一つ決め、他方には案件番号や保存先を記載します。
  2. 更新する瞬間を決める。毎日まとめて入力するのか、資料確認の直後なのかを担当者と合わせます。
  3. 退職・担当変更も試す。個人アカウントを停止した後も、必要な記録へ権限のある職員がたどれるか確認します。

RenRakuは、案件の「次の連絡」を前へ進める

RenRakuではメールとLINEのやり取りを集約し、未読・未返信・返信済み・対応済みで整理できます。スタンダード以上なら担当者、内部メモ、タスクも使えます。顧客のメールとLINEの紐付けは手動で確認します。

説明用の運用例として、案件番号「K-024」の会話をAIに確認させ、「届いたと相手が述べた資料」「こちらが約束したこと」「まだ質問すること」に分けます。職員は資料の実物を照合し、必要な質問だけ返信する。工程台帳に置くべき確定情報は、確認してから更新します。

タスクは会話・顧客に自動で紐付く案件工程ではなく、独立した作業管理です。「K-024/資料原本を照合」のように案件番号を名称へ入れると、会話と作業を取り違えにくくなります。複雑な手続きの原本管理や法定期限の判断までAIに丸投げする設計にはしません。

AIに履歴を読ませ、職員は次の確認から始める

担当者が替わるたびに全履歴を読み直すより、許可した会話から約束と未確認事項を先に取り出す方が、確認すべき資料へ早くたどれます。RenRakuの会話を外部AIから参照し、返信準備まで進める使い方です。

説明用:外部AIへの依頼例

この案件の会話だけを確認し、直近の約束、相手が送付したと述べた資料、まだ確認が必要な質問を分けてください。送付の発言を原本確認済みとは扱わないでください。必要な質問の返信案を作り、送信せず下書きとして保存してください。

架空データで、最初の1件を試す

  1. 架空の案件と資料名で会話を用意し、外部AIが参照できる範囲を限定する
  2. 要約・質問・下書きを、会話と照合して確認する
  3. 実務で使う一業務に絞り、確認担当と継続処理のルールを決める

申請の可否、正式な期限、受領資料の適否は職員が確認します。案件台帳や原本保管を自動更新する連携は、別途仕様と運用の確認が必要です。

この依頼例は、外部のDotsをMCP接続して使う場合のものです。MCPはライトから。タスク・グループ管理等は対応プランと操作権限に従います。外部AIの対応アカウント・契約・利用枠は別途必要で、RenRaku内蔵AIの回数枠とは別です。継続する仕事は、対象・除外範囲とルールを決め、定期確認または対応環境での新着イベント等を設定します。

送信は初期OFF。会社のAI管理と接続画面で明示許可した場合だけ、保存済み下書きを送信できます。添付・CC・BCC付きは画面から送ります。まず下書きまでで確かめ、受領連絡など任せられる定型対応だけを自動返信へ広げます。内蔵AIの返信ドラフトは、人が確認して送る別の使い方です。

許可する会話や添付、外部AIへの情報提供と契約・データ設定を確認します。下のデモは架空データ・固定結果による説明用で、実AIの実行や導入成果ではありません。OpenAI公式:Dotsの権限と確認もご確認ください。

最初に減らす仕事が、選ぶシステムを決める

項目・工程が足りないなら台帳を整え、履歴を読む時間がかかるなら連絡の持ち方を変える。両方必要なら、それぞれの正本と更新担当を決めて併用します。

RenRakuを試すなら、最初の目標は「案件を全部移すこと」ではなく、一件の履歴から次の確認と返信案を作り、職員が続きを始められること。現在のメール・LINE窓口と、いちばん困っている確認作業を持って導入相談すると、必要なプランと運用を具体化できます。

気になる疑問

案件管理はExcelから必ず移した方がよいですか?

件数だけで決める必要はありません。誰がいつ更新するかが明確で、履歴・正式期限・資料保存先を追えるなら継続できる場合もあります。二重入力や確認待ちが生じた一案件を試用で再現し、移行する範囲を判断してください。

3人の事務所でもkintoneは3人分の料金ですか?

通常のライト・スタンダードは最小10ユーザーです。ライトは月10,000円、スタンダードは月18,000円が基本ライセンス額です。いずれも税別で、必要な拡張や構築は別に確認します。

RenRakuだけで申請工程や正式な期限を全部管理できますか?

RenRakuは顧客とのメール・LINE、対応状況、AIによる確認・返信準備に適しています。独自の工程台帳、確定版の原本保管、法定期限の判断とは役割を分けます。タスクは独立した作業管理で、会話へ自動で紐付くものではありません。

AIに任せる最初の仕事は何がよいですか?

許可した一件の会話から、直近の約束・未確認事項・返信案を整理する仕事が試しやすいです。職員が原本と照合して使えるかを確認し、継続確認や許可した定型送信はその後に範囲を決めます。

多人数で使う場合も通常の人数加算になりますか?

スタンダード・プレミアムは通常1名追加につき月500円(税別)です。大企業向けには、通常の人数加算より安く導入できるエンタープライズの個別見積もりもあります。人数・窓口・必要機能をそろえて比較してください。

料金・仕様の確認に使った公式情報

情報確認日:2026年10月18日。料金は契約条件・地域・税・改定等で変わるため、申込時の表示を確認してください。本記事の運用例は説明用です。