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開業時は多くが「個人」、軌道に乗ってから法人化を検討

行政書士は個人事業として開業することも、行政書士法人を設立することもできます。かつて法人は社員(行政書士)2人以上が必要でしたが、令和元年改正により令和3年(2021年)6月4日から、社員1人の「一人行政書士法人」も設立できるようになりました。とはいえ開業時は手続き・コストの軽い個人事業で始め、業務が軌道に乗ってから法人化を検討するのが一般的です。

個人開業と行政書士法人の比較

観点個人開業行政書士法人
開業・設立手続き税務署への開業届に加え、行政書士登録申請・都道府県行政書士会での手続等が必要社員資格証明書の取得、同一名称の確認、定款作成・認証、出資、設立登記、成立後2週間以内の行政書士会経由での日行連への届出が必要
コスト低い設立費用・登記費用がかかる
課税所得税(累進課税)法人税。所得規模により有利になる場合がある(要・税理士判断)
社会保険事業主本人は国民健康保険・国民年金が基本。常時5人以上の従業員を雇用する場合は、従業員について健康保険・厚生年金保険の強制適用社会保険(健康保険・厚生年金)への加入義務
信用・規模個人の信用法人格による信用。複数拠点・採用・規模拡大に向く
事業承継個人に紐づく社員の交代で事業を継続しやすい

行政書士法人を設立する場合の要点

  • 社員は行政書士
    法人の社員(出資者かつ業務執行者)は行政書士である必要があります。一人法人も可能です。
  • 設立の流れ
    社員資格証明書の取得、同一名称存否の確認、定款の作成・公証人による認証、出資、主たる事務所所在地での設立登記を経て成立します。成立後は、原則として2週間以内に、主たる事務所所在地の行政書士会を経由して日本行政書士会連合会へ成立届出を行います。詳細は日行連の「行政書士法人の手引」で確認します。
  • 一人法人の継続規定
    社員が1人の法人で社員が欠けても、相続人の同意を得て新たな社員を加入させ、法人を継続できる規定が整備されています。

開業時の判断軸

開業初期は売上が読みにくく、社会保険料の負担や設立コストが重く感じられがちです。まずは個人で開業し、(1)所得が一定規模に達した、(2)スタッフ採用や複数拠点を計画している、(3)対外的な信用を高めたい、といった段階で法人化を検討するのが現実的です。法人化による税・社会保険の損得は、必ず税理士・社会保険労務士に試算してもらってください。

主な根拠・一次ソース

よくある質問

Q. 行政書士法人は一人でも設立できますか?

A. できます。令和元年改正により、令和3年(2021年)6月4日から社員1人の一人行政書士法人の設立が可能になりました。社員は行政書士である必要があります。

Q. 開業時から法人にした方がよいですか?

A. 多くの場合、開業時は手続き・コストの軽い個人事業で始め、業務が軌道に乗ってから法人化を検討します。社会保険料負担や設立コストが開業初期には重く感じられるためです。

Q. 法人化すると税金は得になりますか?

A. 所得規模によっては法人税の方が有利になる場合がありますが、社会保険料負担や設立・維持コストも踏まえた総合判断が必要です。具体的な試算は税理士に依頼してください。

Q. 行政書士法人の設立費用はどれくらいですか?

A. 定款作成・出資・設立登記などの費用がかかります。金額は規模や依頼先により異なるため、設立を扱う専門家に見積りを取ることをおすすめします。

Q. 法人と個人で取り扱える業務範囲は違いますか?

A. 行政書士法人は行政書士業務を組織として行う形態で、基本的な業務範囲の考え方は個人と同様です。法人ならではの体制で複数案件・複数拠点に対応しやすくなります。

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※ 法人化による税・社会保険の有利不利は、所得規模や家族構成などにより異なります。具体的な判断は税理士・社会保険労務士にご相談ください。本記事は制度の一般的な比較情報です。

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